COLUMN / パートナーとの関係

「したくない」と
「触れ合いたい」の間で

断る自由も、求める側の孤独も、大切にするために。

2026年9月23日 作成 · KOBE 性活プランナー事務所

性行為を望まない相手に、無理に応じてもらうことはできません。けれど、そのことと、触れ合いを求める人の寂しさを置き去りにしないことは、両立できるはずです。

夫婦の性のすれ違いを扱った朝日新聞の記事と、そのコメント欄を読み、性活プランナーとして考えたことをお伝えします。

記事とコメントで、気になったこと

記事は、性行為に応じることがつらい人の事情を、女性・男性の両方について取り上げています。無理をさせず、それぞれの本音を聞くことを重視する内容でした。元記事を読む ↗

一方、確認したコメントには、男性も断れるはずだという意見や、求める側の気持ちにも目を向けてほしいという訴えがありました。性行為だけでなく、愛情やつながりを求めているという趣旨の声もありました。コメント欄を見る ↗

ここで紹介しているのは、おすすめ順の最初のページで確認した一部の意見です。コメント全体や社会全体の考えを代表するものではなく、投稿された体験の事実関係を確認したものでもありません。

断る自由は、性別にかかわらず

性行為に応じたくないとき、その気持ちは尊重される必要があります。男性だから、女性だから、夫婦だからという理由で、応じることを当然にはできません。

以前は望んでいたとしても、今も同じとは限りません。手をつなぐことには安心できても、それ以上は望まないこともあります。ひとつの触れ合いへの同意を、別の行為への同意として受け取らないことを、大切にしたいと思います。

求める気持ちまで、否定しない

同時に、触れ合いを望む気持ちそのものを責める必要もありません。断られる経験が重なったとき、「自分は大切にされていないのかな」と感じる人もいるでしょう。その寂しさを、ただ我慢すればよいと片づけたくはありません。

ただ、つらさがあることは、相手に性行為を求め続けたり、応じるよう迫ったりする理由にはなりません。気持ちを受け止めることと、行為に応じることは、分けて考える必要があります。

何を求め、何がつらいのかを分けてみる

相談では、まず「性行為をするか、しないか」という結論の前に、それぞれにとって何が大切なのかを整理したいと思います。

  • 望んでいるのは、性行為そのものか、触れ合いか、愛情を感じる時間か。
  • つらいのは、行為そのものか、誘われ方か、断った後の相手の反応か。
  • 今は望まないことと、安心してできることは何か。触れ合いを望まない選択も含めて考える。

相手の本音は、想像だけではわかりません。「男性ならこう」「女性ならこう」と決めつけず、本人の言葉を聞くことから始めたいと思います。

話し合いを、説得の場にしない

たとえば、誘いを断られた直後ではなく、落ち着いて話せる時間に「今すぐ何かをしてほしいわけではないけれど、触れ合いがなくて寂しい。あなたがどう感じているかも聞きたい」と伝える方法があります。

応じたくない側も、話せる範囲で「今は触れられることを望んでいない」「誘われると、断った後が不安になる」と伝えて構いません。理由を十分に説明できないからといって、断れなくなるわけではありません。

話し合う目的は、相手を納得させて性行為に応じてもらうことではなく、お互いの気持ちと境界を知ることです。怖さや威圧を感じる場合は、二人で話すことを無理に進めず、一人で相談できる場を使ってください。

続けることも、見直すことも、急いで決めない

私は、思いやりがあれば必ず性的なすれ違いが解消するとは考えていません。相手を大切に思っていても、望む関係の形がどうしても合わない場合はあります。

性行為を伴わない関係に二人とも納得できるなら、その形を選べます。一方がずっと苦しいままなら、その苦しさを小さく扱わず、関係を続ける条件や今後について考えることも必要です。別れを性行為に応じさせるための脅しに使うことと、関係を続けられるか真剣に考えることは、区別したいと思います。

性活プランナーとしてお手伝いしたいのは、どちらかを悪者にすることではなく、気持ち・望むこと・難しいことを整理することです。二人での相談が難しくても、まずお一人でお話しいただけます。

断る側も、求める側も、自分の気持ちを押しつぶさずに考えられるように。そのための時間を、一緒につくっていきたいと思います。

うまくまとまっていない気持ちも、そのままお聞かせください。

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