COLUMN / 性の悩みと情報

性の「普通」を調べるほど、
不安になってしまうあなたへ

ほかの誰かと比べる前に、ご自身の気持ちを確かめる時間を。

2026年9月28日 作成 · KOBE 性活プランナー事務所

「性行為の頻度は、どのくらいが普通なのだろう」
「自分は、ほかの人より性欲が強いのかな。弱いのかな」

誰かに聞きにくいことだからこそ、まず検索してみる。そんな経験がある方もいらっしゃると思います。

調べて安心できることもあります。でも、目に入ってくる数字や体験談と自分を比べて、かえって不安になることもあるのではないでしょうか。

今回は、性生活に関する調査をきっかけに、性の「普通」との付き合い方を考えてみたいと思います。

調査の数字は、自分を採点するためのものではない

TENGAヘルスケアは2026年9月10日、性生活に関する調査結果を公開しました。性行為について参考にしている情報や、希望する挿入時間などを取り上げています。

ここで気をつけたいのは、公表された時期と調査した時期が異なることです。調査は2024年5月に実施されており、回答者の年齢やパートナーの有無などにも条件があります。すべての人に、そのまま当てはめられる結果ではありません。
出典:TENGAヘルスケア「TENGA性生活白書を公開!」 ↗

また、調査で示される平均は、回答をまとめた数字です。それが、目指すべき時間や回数を意味するわけではありません。

平均と違うからといって、その数字だけで「自分には問題がある」と決めることはできません。反対に、平均に近くても、ご自身がつらさを感じているなら、その気持ちを小さく扱う必要はないと思います。

「普通が知りたい」の奥に、どんな気持ちがあるでしょうか

普通を調べたくなるとき、知りたいのは数字だけではないのかもしれません。

「相手を満足させられていないのではないか」
「求めすぎだと思われたくない」
「したいと思わない自分を、責めてしまう」
「誰にも話せず、自分だけが悩んでいる気がする」

同じ検索の言葉でも、その奥にある心配は人それぞれです。

私は、相談の場では「普通かどうか」の答えを急ぐ前に、何がいちばん気になっているのかを一緒に整理したいと思っています。

数字を知りたいのか。相手の気持ちを確かめたいのか。それとも、自分の気持ちを否定せずに聞いてほしいのか。

そこが少し見えてくると、次に知りたいことや、相談したいことも変わってくるかもしれません。

相手の気持ちは、平均からはわからない

調査や体験談を読んで、「相手も、きっとこう思っているはず」と想像することがあります。

けれど、目の前の相手が望んでいることは、性別や年齢、調査の平均だけではわかりません。自分自身も、誰かの体験談と同じである必要はありません。

話せる関係であれば、「普通はこうらしいよ」と基準を持ち出すよりも、「私はこのことが気になっている」「あなたはどう感じている?」と、ご自身の言葉で伝えてみる方法があります。

そのときも、すぐに答えを出す必要はありません。今は話したくないことや、まだ自分でもわからない気持ちがあってもよいのだと思います。

検索を続ける前に、自分の言葉で書いてみる

調べるほど気持ちが苦しくなるときは、いったん画面から離れて、次の三つを書いてみてもよいかもしれません。

  • 今、気になっていること
  • それについて、不安に思っていること
  • 本当は、どうなったら少し安心できそうか

たとえば、「頻度が少ない」という気がかりの奥に、「大切にされていると感じたい」という願いがあるかもしれません。あるいは、「相手の希望に合わせなければ」という負担を整理したいのかもしれません。

うまく書けなくても大丈夫です。「何が不安なのか、まだわからない」という言葉も、相談の出発点になります。

「みんなと同じ」より、自分の気持ちを確かめる時間を

性について情報を得ることは、自分の選択肢を広げる助けになります。けれど、その情報で自分を追い詰めてしまうのは、つらいことです。

私は、皆さんを「普通」という枠に当てはめるために相談をお受けしているわけではありません。今感じていることや困っていることを整理し、ご自身にとって無理のない選択肢を一緒に考えたいと思っています。

「こんなことで相談してもいいのかな」と迷う気持ちも、そのままお聞かせください。

ほかの誰かと比べる前に、ご自身の気持ちを確かめる時間を。一人で考え続けて疲れたときは、そのお手伝いができればと思います。

ご自身の気持ちを、話せるところから。

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