「痛いけれど、相手に悪い気がして言い出せない」
「自分が緊張しすぎているだけなのかな」
「好きな相手なのに、どうしてつらいのだろう」
性行為の痛みについて、そんなふうに一人で考え続けている方もいらっしゃるかもしれません。
痛みそのものに加えて、相手を傷つけたくない気持ちや、うまく説明できない戸惑いが重なることもあると思います。
今回は、性行為の痛みを感じたときに、ご自身を責めずに考えるための視点をお伝えします。
痛みを、我慢して続けなくてもよい
相手が望んでいるから。せっかく二人の時間ができたから。途中でやめたら、がっかりさせてしまいそうだから。
そんな思いから、痛みを伝えることをためらう場合もあるでしょう。
けれど、一度始めたからといって、最後まで続けなければならないわけではありません。「痛いので止めたい」と伝えるために、原因を説明したり、相手を納得させたりする必要はありません。
私は、痛みを伝えることを、相手への気遣いが足りない行動だとは思いません。ご自身のからだを大切にする言葉として、受け止められてほしいと思っています。
愛情や気持ちだけで、原因を決めつけない
性行為に痛みがあると、「相手を十分に好きではないのか」「リラックスできない自分が悪いのか」と考えてしまうことがあります。
しかし、性交痛には、感染症や皮膚の炎症、授乳・更年期に伴う変化、骨盤底の機能に関わる問題など、さまざまな背景があります。日本産婦人科医会も、痛みの訴えを医療の対象として受け止め、状態に応じて専門的な診療につなげることを示しています。日本産婦人科医会の解説 ↗
痛みがあるという事実だけから、愛情の大きさや、本人の気持ちを判断することはできません。
また、「年齢のせいだから仕方がない」と、ご自身だけで結論を出す必要もありません。原因や対応は、医療機関で相談してよいことです。
うまく説明できなくても、相談の入口になる
「どこがどう痛いのか、正確に説明できない」
「診察で何を聞かれるのか、不安がある」
そうした戸惑いがあると、受診すること自体が大きな一歩に感じられるかもしれません。
日本産婦人科医会の解説では、痛みが始まった時期、程度や続く時間、触れたときだけ痛むのかなどが、問診で確認する項目として挙げられています。日本産婦人科医会の解説 ↗
相談の前に、わかる範囲で次のようなことをメモしておくと、伝える手がかりになります。
- いつごろから痛むようになったか
- どのあたりに、どのような痛みを感じるか
- どんなときに痛み、どのくらい続くか
- 診察について心配していること
すべて埋める必要はありません。「痛いけれど、うまく説明できません」「診察が怖いです」という言葉から始めても構いません。
パートナーには、まず今の状態を伝える
相手に伝えるときも、原因を突き止めてから話す必要はありません。
たとえば、こんな言い方が考えられます。
「痛みがあるので、今日はここで止めたい」
「原因はまだわからないけれど、無理をせず相談したいと思っている」
「今は、触れ合うことも少し休みたい」
相手への愛情を証明しながら説明しなければならないわけではありません。別の触れ合いを提案することも、義務ではないと思います。
痛みを打ち明けられた側も、その場で理由を問い詰めたり、自分への拒絶だと決めつけたりせず、まず行為を止めて相手の希望を聞くことを大切にしてほしいと思います。
「話してくれてありがとう。今はどうしていたい?」
そんな言葉から、相手が安心して話せる時間をつくれるのではないでしょうか。
からだの相談と、気持ちの整理を、それぞれ大切に
性活プランナーの相談では、痛みの原因を診断したり、治療したりすることはできません。痛みそのものについては、婦人科などの医療機関で相談することが大切です。
一方で、「相手にどう伝えたらよいかわからない」「受診を考えているけれど、気持ちが追いつかない」といった戸惑いは、一緒に整理できます。
すぐに答えが出なくても、何を不安に感じ、どんな助けがあれば少し安心できそうかを考える時間には意味があると思っています。
痛みを我慢できるかどうかで、ご自身を評価しなくてよいのです。
言いにくかったことも、まだ言葉になっていないことも、話せるところから。その気持ちを置き去りにせず、次の一歩を一緒に考えていきたいと思います。
話せるところから、ご自身のペースで。
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